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-記述4・同時刻、藤ヶ丘二丁目某所、某住宅の屋上-
誰も居ない屋上。
異世界の物体のような白い机がある。
机に設置されたPCのディスプレイが明るく光っている。
自動でメッセージが表示される。
〈この町の記述は続く。台帳は無限に産出されるだろう。〉
〈記述は、記述されている以上の表現ではない。〉
〈それらはすべて、現に起きたことの記録であるからだ。「A=A」という等式と同様である。等式を見て驚く者はまれだ。〉
〈驚きは記述の内部にある。〉
(終)
(0906-0909)
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